まやかしの安心

「気持ちいいだろ?」

尋常でない笑みは、逆らうことを許さない。知伽は黙って頷いた。

なだらかな振動は、徐々に知伽を頂点へと導いて行くが、絶頂には達しない。物欲しそうに愛液が滴る。

快楽の中、イケそうでイケない。苦楽の交じり合う混沌とした感覚に、耐え切れずに知伽は懇願する。

「もっと…もっと…」

「いやらしいな、知伽」

バイブのスイッチは、マックスにまで上げられた。

中途半端に弄ばれた知伽は、あっという間に絶頂を迎えた。激しいブレにひくひくと蜜口をわななかせながら、だらしなく蜜を垂らす。

それでもバイブは止まない。

「もうっ、止めてっ!!」

「おかしいな、こっちのクチは、まだ欲しがってるみたいじゃないか」

「イヤあああああっ!!」

前回の絶頂も収まらぬまま、次の絶頂へつ導かれる。知伽は、唇から垂れる唾液に気付かぬまでに、髪を振り乱し波に溺れている。

固定された手首に痛みが走った。

知伽がもがく姿を、勇一は薄笑いを浮かべながら見守っていた。

知伽が快楽に溺れたと同時に、勇一もまた、知伽の身体に魅了され、離れられなくなっていた。

良心の欠片は、興奮するための罪悪感を募らせるものでしかなかったし、

一向になびかなかった娘がとうとう自分だけをその瞳に映しているのだと思うと、滾った。

その娘は、今自分に懇願している。誰にも見せない、乱れた姿をさらに乱しながら。

声を上げる力も失い、知伽はがくがくと膝を痙攣させたまま意識を飛ばす。

そろそろいいかと、振動したままのバイブを引き抜く。ねっとりとした液体が、つうと糸を作った。

「俺も限界だよ、知伽」

声をかけると、知伽の瞳が薄っすらと反応する。勇一は、赤黒い肉棒を知伽の中に挿入した。

目覚ましの音に目を覚ます。起き上がろうとして手を突くが、身体がやけに重い。朦朧とする意識の中で、学校に行かなきゃと思う。

とりあえず、シャワーを浴びに浴槽へ向かう。体液にまみれた身体を洗い流しながら、少しづつ記憶が覚醒する。

知伽の目に、じわりと涙が浮かんだ。

今までは、愛欲にまみれて見えてこなかったものが、水の流れで浄化されたかのようにはっきりと見えてくる。

道徳観念、罪悪感、そして妊娠への不安。

もう、やめよう。決意と共に風呂場を出た知伽の耳に聞こえたのは、ガラスの割れる音だった。

バスタオルを体に巻きつけ、駆け寄った知伽の目に映ったのは、勇一の姿だった。

「…お母さんは……?」

震える声で問う。

「どこかに行ったよ」

勇一は、ゆっくりと知伽の首筋に唇を落とした。

「こんなこと、もう……」

言いかけた知伽の秘唇に、異物が挿入される。

「あっ!?」

「知伽、ゲームをしないか?」

「そ、そんなことよりお母さんが……」

有無を言わさず、バイブのスイッチが入れられる。

正気じゃないと、知伽は身体を硬くした。

「お父さん……私はもう、死んだお父さんに泣きつくようなことはしないし、新しいお父さんとうまくやりたいと思ってる。だから……」

「ゲームに勝ったら、知伽の言うことを聞いてあげるよ」

命の危険すら感じながら、知伽は頷くしかなかった。

バイブは、弱く振動し続けている。

「学校から帰るまで、これをつけたままでいられたら、知伽の勝ち。途中で外したら……分かってるな?」

ほとんど密着した状態で凄む勇一の白目は血走っていた。

勇一は、秘部とバイブの結合部に、印をつけた。

「さあ、そろそろ学校に行く時間だろう?」

解放された知伽は、低く唸るバイブを感じながら、制服を身につけた。

「じゃあ、行ってらっしゃい。がんばれよ」

玄関まで知伽を見送り、軽く手を振る。

「……行って来ます……」

早く逃れたい一心で知伽が扉を開くと、徹の姿が目に入った。

「……あっ」

徹は知伽の後ろに頭を下げる。

勇一は、勝ち誇った笑みを浮かべながら徹に軽く手を上げて応えた。

「お、お早う神崎君」

扉が閉まるのを確認してから、ようやく弱々しい笑みを向けた。

バイブは身体の中で、低くうなっている。振動こそ少ないものの、刺激に対して少しづつ敏感になって行くのが分かる。

耐えなきゃ……。知伽は徹の隣に並んで、唇をかみ締めた。


   Continue tomorrow・・・・・・



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